10年後の4月の空

日頃のよしなしごと備忘録

日本に生まれて良かったこと

ここ数年、歌舞伎を度々観ています。

にわかの意見ではありますが、「歌舞伎」は日本の伝統芸能の中でも(敷居が高く見えるけれども案外)親しみ易く、まあ、チケットの価格は少々お高いとしても、エンターテイメントに富む、素晴らしい芸能だと思います。

劇場では、筋書(お値段は千円強)も販売していますが、買わなくても事前にネットで調べれば(あるいは台詞が聞き取れれば)、主人公や周りの人々が「どうしてこんなことになってしまっているのか」は、分かるようになっています。(便利な時代ですね)

型もほぼ(新作以外は)決まっていて、安心して観ていられます。

大向う(おおむこう)と呼ばれる方々の、間を上手く捉えた呼びかけを聞き、役者の見得に観客は拍手で応える。(ライブ!な感じ)

好きなお役者さんができれば、何度でも見たくなる、観客の心理をよく突いた見世物だと思います。だって、ひと月(約25日?)の間、同じ演目を毎日、演っているんですよ!(しかも土日休みなく!)

 

初日と(ひと月演じた最後の)千穐楽の、役者さんの芝居の「違い」を楽しむのも、お金と時間が許せば…ぜひ!

 

それで、もう一つ。

 

元々、日本の文学や文化が好きなんだけれど、更に最近、大相撲を見に行く機会があり、これも大変に興味深いものでした。 

国技館は、 まず、会場として素晴らしい。(席による近さの違いはあれど、どこの席でもしっかりと見える作りで)土俵を中心として、只ならぬオーラ(?)を感じます。

また、場所中には随所に、相撲好きが喜ぶ展示があり(お相撲さんの等身大パネル=フォトスポット)、お土産の品揃えやお弁当の種類も充実しています。(しかも、どれもお値段程度には美味しい。日本食の美味しさを正しく外国人にアピールする狙いも?)

肝心の「取組」(試合?)は、土俵から少々遠くても、気合、気迫が充分に伝わってきますし、野球やサッカーなどの競技と違って、それぞれ数分で、勝ち負けが決まっていく。

気になる(応援したい)お相撲さんには遠慮なく「◯◯(関)ー!」と叫んでOK。(多分)

場所で味(相撲部屋)の変わる地下のちゃんこ(300円程度)を楽しんだり、関取の場所入り待ちをして声をかけたり…。

応援、飲食・撮影OK(溜まり席はNG)の、丸一日(8時から開館しています)、ゆるくも熱くも楽しめる、素敵な場所でした。

 

さらに、歌舞伎と相撲、どちらも共通して良いところは「当日券を売っている」ところだと思います。歌舞伎は一幕見で1000円前後、相撲は2200円。(2019/5現在)

いずれも数に限りがあるので、早くから行って「並ぶ」必要がありますが。(相撲の人気は高く、7:45の発売前、6時あたりから並ぶ人も…土日は更に厳しいらしいです。そんな状況にも関わらず、どちらも外国人の方が多く並んでいました。ネットなのか雑誌なのか、そういう情報が事前に流れているんですね。)

 

今の日本には、時間(と、お金)に余裕のある中高年の方々が多いのか、はたまた若者の関心が高いのか、それとも外国人観光客が多いのか、大きなコンサート・舞台などでは、既にチケットが売り切れで「当日、思い立って」見ることのできるものが少ないように感じます。(映画は別)

そんな中、それぞれ一定数の「当日券」を用意している歌舞伎と相撲は、偉いなあ、と思うのです。

「何時から並べば確実にゲットできるか」は、日によって変わるから(歌舞伎なら役者や演目、相撲なら組み合わせや勝敗などで)ドキドキですが、頑張って早くから並べば、当日券を買って、観られる。

それが、すごいなあ、と思います。

 

まあ、「当日券でも充分、客が入る」のと「そもそもの料金設定が高いので、その分は儲けている」というのはありそうですが…。

 

まだ、行かれたことのない方は是非一度、チャレンジされることをお勧めします!