春の花と言えば
今日のような荒れた天候の下でも、桜はどんどん散っていくわけです。寒いのに。はらはらと。残念。
春の花と言えば、可愛らしい「チューリップ」もあります。風に吹かれて、左右に揺れる様子も、見ていて微笑ましい。
でも、桜はやはり、微笑ましいのとは違いますね。何と言ったら良いのでしょう……。美しい。切ない。見事。うーん……うまく言い表せないですね。(とにかく、桜が好き過ぎて、毎年、写真フォルダが桜の画像だらけになってしまうことだけは確かです。)
この季節、必ず思い出すのが、
「願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ」
平安末期の僧侶であり歌人でもある、西行の有名な歌ですが、この「花」も桜ということです。今のようなソメイヨシノではないと思いますが、千年近く前の人の思いが、今でも三十一文字の歌を通して伝わるのって素晴らしい。(西行は、その思い通りの季節に亡くなられたそうです。すごいですね。)
改元に伴って、万葉集が売れているそうで、よかったなあ。改めて見ると、詠み人も、季節やシチュエーションも、様々な歌が集められていて面白いですね。パラパラと読むだけでも価値は充分にあります。
かく言う私も持っていなくて、慌てて万葉集を古本屋で買ったくちです。(だって、全訳注付きのは巻数が多かったから学生のふところには痛手で……。)